1887, 二葉亭四迷, 浮雲:
然るに昇は何の道理も無く何の理由も無く、あたかも人を辱める特権でも有ているように、文三を土芥の如くに蔑視して、犬猫の如くに待遇ッて、剰え叔母やお勢の居る前で嘲笑した、侮辱した。- (please add an English translation of this quotation)
1889, 井上円了, 欧米各国 政教日記:
1891, 陸羯南, 近時政論考:
1897, 清水紫琴, 誰が罪:
1898, 徳冨蘆花, 小説 不如帰:
1900, 国木田独歩, 小春:
1902, 正岡子規, 病牀六尺:
その代りに能楽界の方においても出来得るだけの改良を図つて、従前の如く能役者はダダをこねるやうな仕打をやめ、諸流の調和を図りまた家元なるものの特権を揮ふて後進年少が進んで行かうといふ道を杜絶することのないやうにしてもらはねばならぬ。- (please add an English translation of this quotation)
1910, 夏目漱石, 門:
彼らは複雑な社会の煩を避け得たと共に、その社会の活動から出るさまざまの経験に直接触れる機会を、自分と塞いでしまって、都会に住みながら、都会に住む文明人の特権を棄てたような結果に到着した。- (please add an English translation of this quotation)
1916, 豊島与志雄, 運命のままに:
1917, 原勝郎, 東山時代における一縉紳の生活:
当時の大内家は中国と九州とにまたがり拠有した大勢力で、それに支那貿易に関する特権を有したところから、その富西国に冠たる有様であったことは、みな人の知るところ、実隆の大内家との関係についてもまたすでに述べたとおりである。- (please add an English translation of this quotation)
1918, 有島武郎, 小さき者へ:
1919, 新渡戸稲造, 自由の真髄:
僕はデモクラシーを論ずるに当りてその一大要素たる自由を、単に法律上の権利とか社会上の特権とかに限りて思うている間はまだまだ真の自由を解さぬもののような心地する。- (please add an English translation of this quotation)
1920, 与謝野晶子, 階級闘争の彼方へ:
1921, 葉山嘉樹, 工場の窓より:
1922, 三上義夫, 文化史上より見たる日本の数学:
しかし維新後に士族の特権が廃止されてから、士族の反抗がないでもなかったが西南役で全く挫けてしまったように、和算家の中には洋算に対して反抗の気焔をあげんとするものもあったけれど、大勢は如何ともすることができないで、これから新たに和算家になるものもなく、和算の老大家は次第に死滅して、和算はここに終わりを告げたのであった。- (please add an English translation of this quotation)
1923, 横光利一, 日輪:
1926, 小川未明, 机前に空しく過ぐ:
1927, 芥川龍之介, 文芸的な、余りに文芸的な:
1929, 石原莞爾, 戦争史大観:
即ち中学校以上の卒業者は自他ともに特権階級としていたので、悪く言えば高慢、良く言えば剛健、自ら指導者たるべき鍛錬に努力するとともに平民出身の一般兵と同列に取扱わるる事を欲しないのである。- (please add an English translation of this quotation)
1930, 中井正一, スポーツの美的要素:
1931, 石川三四郎, 社会的分業論:
然るに近代に至り、交通機関や印刷器械の発達につれて知識の普及が急速に行はれ、次で諸種の新産業が勃興して来たので、旧来の特権制度や、家伝的分業法はこの新興勢力と新興技能とに対抗することが出来なくなつて崩潰した。- (please add an English translation of this quotation)
1932, 佐々木味津三, 流行暗殺節:
1933, 神西清, 垂水:
と言ふのは、彼の心のうちに、貴族社会の冷やかなほど筋目正しい秩序に育てられて、顕貴――特にそれが装ふあらゆる何気ない幸福の表情の根に横はる一種の密かな特権に向けて、彼の侮蔑と野心とが冥々の裡に芽生え、極く自然な生長を遂げて行つたといふほどの意味である。- (please add an English translation of this quotation)
1934, 山本実彦, 十五年:
1936, 夢野久作, 悪魔祈祷書:
1937, 戸坂潤, 認識論としての文芸学:
1940, 太宰治, 駈込み訴え:
1941, 田畑修一郎, 医師高間房一氏:
それほどであつたから、この領内の民は他領との縁組を嫌ひ、他領から移り住む者を許さなかつたし、狩猟とか交通とかその他様々な点で非常な横暴と特権とを許されてゐたものだつた。- (please add an English translation of this quotation)
1942, 岸田國士, 演劇と政治:
そのなかで、演劇のみが特に不遇をならし、しかもほかのことはどうでもいいといふ風な調子で「政治」に呼びかけ、何か優先的に特権を獲ようとしてゐるかの如く見えるからである。- (please add an English translation of this quotation)
1945, 海野十三, 地球発狂事件:
1946, 伊丹万作, 政治に関する随想:
その結果、彼らは自分たちとはまつたく利害の相反した特権階級の御用議員どもを多数に議会へ送り込み、いつまでも国民大衆の不幸を長続きさせる政治をやらせようとしているのである。- (please add an English translation of this quotation)
1948, 坂口安吾, 戦争論:
今日に至るまで、ただひとり戦争のみが、この限界をハミダス特権を専有し、人間はそのエネルギーの総量をあげて人を殺すことを許され、原子エネルギーもその全量の最も有効なるバクハツ力を発揮することを許され、祈られることができた。- (please add an English translation of this quotation)
1949, 宮本百合子, 新しい抵抗について:
しかし、資本主義の社会体制が保たれることで特権をもってゆける支配階級の人々は、あらゆる手段をつくして新しい社会体制の発展を遅らせようと努力していますし、あからさまに人民大衆を犠牲にして、社会的混乱を拡大し、深め、その間に新しい歴史をつくってゆく労働者階級の政治力をそいでしまおうとしてきている。- (please add an English translation of this quotation)
1950, 久生十蘭, 無月物語:
子供というものは泰文にとっては、わけのわからない、手のかかる、人に迷惑をかけることを特権と心得ているうるさいやつで、男の子は学資をかけて大学寮を卒業させなければ七位ノ允にもなれず、女の子は女の子で、莫大な嫁資をつけなければ貰ってもらえぬという不経済極まる生物ぐらいにしか思っていなかったのだろうか、そういう勘定はぬきにして、自分のことで忙しすぎるので、子供のことなどはすっかり忘れてしまったのである。- (please add an English translation of this quotation)
1953, 片山廣子, 「王の玄関」イエーツ戯曲:
1955, 三好十郎, 樹氷:
ただ僕は今の時代を見渡して見て、こんなように貧富の差が甚だしくなって、一部の特権者と富豪がぜいたくしている一方、そのギセイになって貧乏な階級が、あまりに多く、そしてあまりに苦しみ過ぎている。- (please add an English translation of this quotation)