Japanese citations of 明晰

  • 1892, 北村透谷, 徳川氏時代の平民的理想:
    かくの如く、其能楽に於て、河原演劇に於て、又は其遊芸に於て、もしくは其会話の語調に於て、極めて明晰なる区別あることを知らむ。
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  • 1905, 夏目漱石, 吾輩は猫である:
    大分研究したものと見えて、条理が明晰で秩序が整然として立派な説であった。
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  • 1908, 桑原隲藏, 那珂先生を憶ふ:
    併し虚心平氣にて論ずると、崔述は支那の學者に稀有な明晰なる頭腦をもつて居る。
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  • 1914, 永井荷風, 江戸芸術論:
    「この鮑取三枚続は婦人の裸体をば最も明晰なる手法によりて描出したるもの也。
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  • 1915, 原勝郎, 貢院の春:
    裁判官、技術官、通譯官等の如き特殊の技能知識に重きを置かざるべからざる職務は之を例外とし、其他一般の文官なるものに在りては、其の候補者にとりて第一の必須條件は、高等なる常識と、明晰なる理解力と紳士たるに必須の修養とを具備するに在りて、法律規定等の記誦之に次ぐ。
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  • 1916, 森鴎外, 伊沢蘭軒:
    僧月江撰の嵯峨樵歌の跋は此の三期を列記して頗明晰である。
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  • 1919, 与謝野晶子, 婦人改造の基礎的考察:
    あるいはこれは私が「母性の国庫保護説」を主張される女史たちに対して「短見者流」という評語を加えたることに由って憤激されたのかも知れませんが、女史たちの主張が短見であり幻想であることは、一条忠衛氏が本年一月の『六合雑誌』で明晰に論断しておられます。
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  • 1920, 有島武郎, 水野仙子氏の作品について:
    ところが體が惡くなつて來るために、頭がよくなつて來るのか、それともあまり頭が明晰になり過ぎるために體を倒してしまふのか、どつちが原因だかいつも分りませんが、とにかく少し具合が惡くなつて來ると、却て手紙なども書きたくなります。
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  • 1922, 内田魯庵, 鴎外博士の追憶:
    六十三という条、実はマダ還暦で、永眠する数日前までも頭脳は明晰で、息の通う間は一行でも余計に書残したいというほど元気|旺勃としていた精力家の易簀は希望に輝く青年の死を哀むと同様な限りない恨事である。
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  • 1923, 萩原朔太郎, 青猫:
    詩に於ける外形の音樂的要素――拍節の明晰や、格調の正しき形式や、音韻の節律ある反覆や――はむしろ象徴主義が正面から排斥した者であり、爾後の詩壇に於て一般に閑却されてしまつた。
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  • 1924, 宮本百合子, 伸子:
    ゆっくり力を入れ大きい声で明晰に返事したのに、風に吹き散らされ素子へ届かなかった。
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  • 1926, 葉山嘉樹, 海に生くる人々:
    そして、船長にしろチーフにしろ、頭脳が明晰なために、その地位を得たのではないことを知ったのだった。
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  • 1928, 堺利彦, ハガキ運動:
    俺が先達て先祖の計算をして、四十|代前の俺の先祖の數が、一|萬九百九十五|億二千一百六十二|萬五千七百七十六|人だといふ莫大な數字を發表した時には、三十三|萬三千三百三十三|人の『中外』の讀者が一|齊に僕の頭腦の明晰を感嘆したんだからね。
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  • 1929, 戸坂潤, 科学方法論:
    そして二つを一旦全く引き離して了うことは、概念を学問的に明晰にするために常に必要であるであろう。
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  • 1930, 平林初之輔, 夏の夜の冒険:
    食事をとると、子供は見る見る元気になって、こちらの問うことには、非常に明晰に何でも答えた。
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  • 1931, 国枝史郎, 鴉片を喫む美少年:
    しかし参謀長のグレーの方は、益々壮健で頭脳も明晰だから、早晩彼の策戦で、鎮江は陥落するだろうと、そんなように云う人間もあった。
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  • 1932, 嘉村礒多, 途上:
    よし頭脳が明晰でないため迂遠な答へ方であつても、答へそのものの心髄は必ず的中した。
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  • 1933, 寺田寅彦, 生ける人形:
    生まれてはじめて見た人形芝居一夕のアドヴェンチュアのあとでのこれらの感想のくどくどしい言葉は、結局十歳の亀さんや、試写会における児童の端的で明晰なリマークに及ばざることはなはだ遠いようである。
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  • 1935, 夢野久作, ドグラ・マグラ:
    ……しかも、その兇行の手段が、私どもの研究致しております精神科学と関係を保っております事実が、確認されるようになりました端緒と申しますのは、やはりその富裕な一家の最後の血統に属する一人の温柔しい、頭脳の明晰な青年の身の上に起った事件で御座います。
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  • 1936, 長谷川時雨, 九条武子:
    そしてその男の話に充分の理解と最も明晰な洞察をもって、今の社会の如何に改造すべきや、現内閣の政治上の事に至るまで、とても確かな意見を出して具合よく応答されたのには聞いていた私が呆れた。
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  • 1937, 西田幾多郎, 善の研究:
    氏が静に自分の名を唱えていると、自己の個人的意識の深き底から、自己の個人が溶解して無限の実在となる、而も意識は決して朦朧たるのではなく最も明晰確実である。
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  • 1938, 豊島与志雄, 在学理由:
    その美事な手蹟と明晰な文体とに接して、矢杉はちょっと、答案調べの憂鬱さから救われた気がした。
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  • 1940, 岸田國士, 文学者の一人として見た現代日本語:
    フランスはこれらの作家の手に依つて所謂純粋なフランス語と云ふものを生み出しましたが、その特色は単純で、優雅で、明晰であると云ふ三つの点に帰します。
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  • 1941, 三木清, 哲學はどう學んでゆくか:
    リッケルトの『文化科學と自然科學』は、ともかく明晰で、最初に讀んでみるに適してゐる。
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  • 1944, 水野葉舟, 言文一致:
    これがもつとすらりと一般に認められ、それに対しての意識が行き渡つてゐたら、日本の言葉は、今よりもずつと美しく明晰になつてゐたらう。
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  • 1945, 海野十三, 宇宙戦隊:
    しかし司令は、がんらい頭の明晰な人であったので、山岸中尉の話の中におごそかな事実のあるのを見てとり、中尉の願いをききいれた。
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  • 1947, 風巻景次郎, 中世の文学伝統:
    思想表現の点で十分の自由が保証されている今日にあっては、余りにも中庸を得過ぎているに違いない私の構想も、当時思想統制の前衛としての国文学界においては、それが明晰に語られるならば、異端の烙印を蒙るおそれは決して存しないわけではなかった。
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  • 1949, 三好十郎, 恐怖の季節:
    それはこの作者の現実認識の眼がガッシリと重厚なこと、対象への態度とそれの表現にあたっての近代的に明晰なナイヴィテと、そしてセンスの新鮮さとから来ているように思われる。
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  • 1950, 阿部次郎, 三太郎の日記 第二:
    故に實行の生活は的確で、明晰で、痛快で、猛烈である。
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  • 1951, 堀辰雄, ノワイユ伯爵夫人:
    も、きはめて地味な、明晰な手法で、一友の死を契機として、死についての冥想を抒べたものである。
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  • 1957, 久生十蘭, 肌色の月:
    明晰な、そのくせ抑揚のない乾いた調子で、秀才型が見えすいたお座なりをいった。
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