Japanese citations of 貪る

  • 1891, 陸羯南, 近時政論考:
    名実の相合せざるや久し、風節の衰うるまた一日にあらず、儒名にして墨行、僧名にして俗行、自由主義を唱道してしかして密かに権略を事とする者あり、進歩主義を仮装してしかして陰に功利を貪る者あり、理よろしく永久平和を唱うべき者また国防論を草するあり、理よろしく一切放任を望むべき者あえて官金を受くるあり、名目の恃むに足らざるやかくのごとし。
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  • 1908, 吉江喬松, 木曾御嶽の両面:
    その夜は山中の旅行に餓えていた美味、川魚のフライ、刺身、鯉こく、新鮮な野菜、美しい林檎、芳烈な酒、殆んど尽くる所を知らず四人して貪った
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  • 1913, 水野仙子, 夜の浪:
    媼はぶつぶつ呟くやうに言ひながら、貪るやうにぽきぽきとその有り難い藥草を折り溜めた。
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  • 1915, 豊島与志雄, 囚われ:
    彼は投げ出されたような自分を見出して、しきりに富子の上に貪るような眼を向けた。
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  • 1920, 菊池寛, 真珠夫人:
    信一郎は胸を躍らしながら、貪るやうにその一行々々を読んだのである。
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  • 1923, 若山牧水, みなかみ紀行:
    「少し旅を貪り過ぎた形があるネ、無理をして此處まで來ないで澤渡にあのまゝ泊つておけば昨夜の不愉快は知らずに過ごせたものを……。
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  • 1926, 小酒井不木, 白痴の知恵:
    なおまた、彼は二三日魚を食べないと、たとい雪の降る日といえども、川の中へ飛び込んで、巧みに魚を捕らえてきては貪り食べました。
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  • 1927, 小熊秀雄, 殴る:
    『鶉の油で、はうれん草を揚げたもの』や『極く新鮮なカキのあとに喰べるものは、串で焼いた腎臓と、トリュッフを附けたフォア、グラと、それからチーズとバタとを溶いた香料と桜酒で味をつけた』などゝ注文をいひだし兼ねなかつたが、幸彼女は飢ゑたやうにがつがつと歯を鳴らして、夏蜜柑に砂糖をかけたのを、一日に七ツも八ツも貪り喰ひ無性にうれしがつてゐた。
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  • 1929, 浜尾四郎, 死者の権利:
    この時から私は貪るように法律書を読みました。
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  • 1931, 牧野信一, バラルダ物語:
    柳の影を振り返つて見ると、水面と殆んどすれ/\になつてゐる水車が、乾いた喉に泉の雫を享けたやうに、物狂ほしく廻転を貪りはじめてゐた。
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  • 1936, 海野十三, 深夜の市長:
    僕はこの青天霹靂に等しい報道記事を貪るように読み下した。
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  • 1937, 岸田國士, 旅の苦労:
    新聞を三種読み終ると、私は、畏友佐藤正彰君から贈られた翻訳小説ネルヴァールの「夢と人生」を鞄から取り出して、貪るやうに頁を繰つた。
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  • 1939, 久生十蘭, 海豹島:
    一、小屋に帰ると、狭山は青磁に黒い斑のはいった海鴉の卵を煮て喰わせ、じぶんは船から届いた大根や玉葱を生のままで貪り喰った。
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  • 1940, 薄田泣菫, 魚の憂鬱:
    私はその後、どうしたわけか、魚の画が好きになつて、出来る限りいろんな画家のものを貪り見たことがあつた。
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  • 1943, 正岡容, 小説 圓朝:
    昔、師匠が夫婦して夢中で読んでいた「梅暦」をようやく手に入れて貪るように読み耽っていた圓朝はめっきり大人びて憂いを帯びてきた目を上げて、たしなめた。
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  • 1951, 宮本百合子, 貧しき人々の群:
    けれども、一枚着物を貰えば、前からの一枚はさっさと着崩して捨ててしまい、よけいな金が入れば下らない物――着ることもないような絹着物だの、靴だの帽子だのという彼等の贅沢品をせっせと買って、ふだん押えられている、金を出して物を買う面白さを充分に貪ってしまうのである。
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  • 1953, 佐藤垢石, にらみ鯛:
    こんな訳で、お賄方の役人共は、もう不当の値段で物を買い入れたり、賄賂を貪ったりできなくなったが、こんどは、やたらに節約の実行をはじめた。
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