Citations:まあまあ
Japanese citations of まあまあ
- 1891, 清水紫琴, こわれ指環:
- 母はさすがに女親とて、これらの事の察しも早く、私がたまさか里へ帰りますたびに、どふやらそなたは、近頃顔色も悪ひ様だし、たいそう痩せた様だな、なにか心配でもあるのではないか、お父さんがこちらにゐらつしやれば、どうとも御相談の申し様もあるけれども、女親の私では申したところが仕方もあるまい、まあまあとにかく、お前の身を大事にして、あんまり心配せぬが宜しいと、いはるる時の悲しさ。
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- 1895, 川上眉山, 書記官:
- それに私もお付き申しているから、と言っても随分怪しいものですが、まあまあお気遣いのようなことは決してさせませんつもり、しかしおいやでは仕方がないが。
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- 1899, 泉鏡花, 黒百合:
- それに何さ、兄さんとかいう人に存分療治をさせたい、金子も自から欲くなくなるといったような、ね、まあまあ心配をすることはないよ、来たまえ!」といって、さっさっと歩行き出す。
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- 1906, 夏目漱石, 趣味の遺伝:
- まあまあだまっているに若くはなしと覚悟をきめて、反って反対の方角へと楫をとった。
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- 1910, 国枝史郎, レモンの花の咲く丘へ:
- 従者 はいはい、ではござりますが、順を追って申さねば、話はお解りなさりませぬ故、まあまあ、お気を静めて一通りお聞きなさりませ。
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- 1917, 葛西善蔵, 贋物:
- 「まあまあ話は後にして、とにかく一風呂浴びてくるといいね。
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- 1924, 宮本百合子, 顔:
- 「まあまあ、立派な阿母さんにおなりだこと。
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- 1925, 北原白秋, フレップ・トリップ:
- まあまあ、どうぞお一つ、それやアお一つ、てこ盛りで、勧め方があくどいからね。
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- 1927, 岸田國士, 動員挿話(二幕):
- 夫人 まあまあ、お前も、さう角を立てない方がいゝ。
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- 1928, 牧野信一, 小川の流れ:
- 「学問をさせると、ふんとに気位ゐが高くなるものね――まあまあ、結構だわよ。
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- 1929, 新渡戸稲造, 自警録:
- しかして褒める人のうちにもこれを僕と同じような考えをもって、まあまあ思っただけのことをやったと、平易にいわばあたり前に考える人は少なかろう。
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- 1935, 岡本綺堂, 明治劇談 ランプの下にて:
- わたくしは下手でも上手でも、まあまあこれで押して行かれますが、弟はこれから皆さんのお引立てを願わなければならない体ですから、評判が好いのは何よりです。
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- 1936, 夢野久作, 悪魔祈祷書:
- まあまあナマクラ者にゃ似合い相当のところでげしょう。
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- 1946, 加藤道夫, なよたけ:
- 女3 本当にねえ、せっかくの賀茂の祭だと云うのに、お社にも詣でないうちから、まあまあ、気味の悪い声を聞くこと。
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- 1947, 三好十郎, 猿の図:
- 薄田 そうかね、ハハ、まあまあ、いいさ、こうふんしたもうな、ハハ、ただわしは、どっちが本音だよと言ってるまでだよ。
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- 1948, 海野十三, 海底都市:
- 僕の好奇心は火柱のようにもえあがったけれど、博士の沈痛な姿を見ると、重ねて問うは気の毒になり、まあまあと自分の心をおさえつけた。
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- 1949, 永井隆, 長崎の鐘:
- 小母さんが、「まあまあ、こんげん遅くまで」といいながら、すぐに夕飯を並べてくださった。
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- 1953, 佐藤垢石, 盗難:
- だから、まあまあ運は天にまかせろと言った気分で、別段子供のない寂しさなど味わってみもしなかった。
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- 1956, 小金井喜美子, 鴎外の思い出:
- 行合せた私が慰めて、「まあまあ誰がそんなことをいったのか知りませんが、気にお懸けなさいますな。
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