1906, 島崎藤村, 破戒:
1909, 長塚節, おふさ:
1914, 夏目漱石, こころ:
1916, 与謝野晶子, 姑と嫁について:
また月経閉鎖期前後の婦人の心理というものがヒステリイ的にいろいろの症状を呈するのは顕著な事実であって、そういう症状に罹った老婦人は嫁のする事なら針ほどの事も憎くなったり、嫁が好意でした事も反対に僻んで解釈したり、酒精中毒者が杯を放さないように、またしてはあくどく嫁苛りをして嫁の苦痛を楽まずにはいられないのである。- (please add an English translation of this quotation)
1919, 久米正雄, 良友悪友:
1920, 菊池寛, 真珠夫人:
1921, 内藤湖南, 大阪の町人と學問:
出定後語は仲基が黄檗山にカノ藏經の校合を手傳ひに行つて居る間に藏經を讀んだから作れたものであると言ひ傳へられて居るが、昔から僧侶には藏經全部を讀んだ人は決して尠くはない、けれども仲基程に卓見を持つて居た人は一人もないのであるから、藏經を全部讀んだお蔭で出定後語の樣なエライ本が出來たなどゝいふのは、僧侶輩の僻んだ根性から言つたことで採るに足らぬ妄言である。- (please add an English translation of this quotation)
1924, 宮本百合子, 伸子:
彼の、生活に対する、抵抗力の強そうなところ、求めたところで経済的にも時間的にも得られない社会の快楽に対して、ストイックな、同時に何か僻んだところのなくもない侮蔑を抱いているようなところ、彼の身の上話を聞けば、はっきりそれらの心理的な原因が理解されるのであった。- (please add an English translation of this quotation)
1925, 岸田國士, 島国的僻見:
それこそ、少し外国語が読め、外国の小説を少し翻訳し、外国の雑誌の受売りを少しすれば、それで外国文学者にされてしまふ国も有難い国ですが、人が何か云へば、すぐに「えらさうに」と僻む国民性にも困つたものです。- (please add an English translation of this quotation)
1932, 嘉村礒多, 途上:
仄暗いうちに起きて家人の眼をかくれ井戸端でお米を磨いだりして、眠りの邪魔をされる悪口ならまだしも、私が僻んで便所に下りることも気兼ねして、醤油壜に小便を溜めて置きこつそり捨てることなど嗅ぎ知つて、押入を調べはすまいかを懸念した。- (please add an English translation of this quotation)
1935, 徳田秋声, 仮装人物:
こうなると彼女は母親から来るらしく見せて、実は田舎の秋本に送らせた金で、彼と一緒に温泉へ来ていることも忘れて、平気でいるらしい庸三の顔さえ忌々しくなるのではないかと、彼は反射的に感じるのであったが、またそう僻んで考えることもないのだという気もして、女中が目の前に並べる料理を眺めていた。- (please add an English translation of this quotation)
1936, 海野十三, 雷:
1939, 岡本かの子, 河明り:
1940, 太宰治, 駈込み訴え:
あの人からそう言われてみれば、私はやはり潔くなっていないのかも知れないと気弱く肯定する僻んだ気持が頭をもたげ、とみるみるその卑屈の反省が、醜く、黒くふくれあがり、私の五臓六腑を駈けめぐって、逆にむらむら憤怒の念が炎を挙げて噴出したのだ。- (please add an English translation of this quotation)
1943, 正岡容, 小説 圓朝: