Japanese citations of 嬲る

  • 1885, 三遊亭圓朝, 業平文治漂流奇談:
    申続きましたる浪島文治郎は、大伴蟠龍軒と掛合になり、只管柔かに下から縋って掛合ますると、向うは元より文治郎が来たらば嬲って恥辱を与えて返そうと企んで居る処でございますから、悪口のみならず盃を取って文治郎の額に投付けましたから、眉間へ三日月形の傷が出来、ポタリ/\と染め帷子へ血の落ちるのを見ますると、真赤になり、常は虎も引裂く程の剛敵なる気性の文治郎ゆえ、捨置き難き奴、彼を助けて置かば、此の道場へ稽古に来る近所の旗下の次男三男も此の悪事に染り、何の様なる悪事を仕出すか知れぬ此の大伴蟠龍軒を助けて置く時は天下の為にならぬから、彼を討って天下の為衆人の為に後の害を除こうと、癇癖に障りましたから兼元の刀へ手を掛けようと身を動かすと、水色の帷子に映りましたのは前月母が戒めました「母」という字の刺青を見て、あゝ悪い処へ掛合に来た、母が食を止めて餓死するというまでの強意見、向後喧嘩口論を致し、或は抜身の中へ割って這入り、傷を受けることがあらば母の身体へ傷を付けたるも同じである、以後慎め、短慮功を為さずと此の二の腕へ母が刺青を為したは、私が為を思召しての訳、其の母の慈悲を忘れ、義によって斯様なる処へ掛合に来て、父母の遺体へ傷を付けるのは済まぬ事である、母へ対して済まぬから此処は此の儘帰って、母を見送ったる後は彼等兄弟は助けては置かれぬと、癇癖をこう無理に押え付けて耐えまするは切ないことでございます。
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  • 1909, 泉鏡太郎, 神鑿:
    嬲るな。人が生死の間に彷徨ふ処を、玩弄にするのは残酷だ。
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  • 1912, 夏目漱石, 行人:
    お重は自分の好奇心を満足させないのみか、かえって向うからこっちを嬲りにかかった。
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  • 1925, 国枝史郎, 大捕物仙人壺:
    「何だ俺らを嬲るのけえ」トン公は厭な顔をした。
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  • 1926, 国枝史郎, 銀三十枚:
    サンヒドリンの議員やパリサイ人や、祭司長カヤパは夜の明ける迄、愉快そうにイエスを嬲り物にした。
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  • 1931, 海野十三, 振動魔:
    柿丘秋郎は、捉えた鼠を嬲ってよろこぶ猫のような快味を覚えながら、着々とその奇怪な実験の順序を追っていったことだった。
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  • 1932, 魯迅, 阿Q正伝:
    ところがこの怒目主義を採用してから、未荘のひま人はいよいよ附け上がって彼を嬲り物にした。
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  • 1933, 宮本百合子, 刻々:
    そして、嬲るように脛を竹刀で、あっち側こっち側と、間をおいてぶった。
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  • 1935, 海野十三, 火葬国風景:
    「君はこの僕を嬲るつもりだナ。
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  • 1935, 徳田秋声, 仮装人物:
    葉子は素直に伸びた白い脛を、浪に嬲らせては逃げ逃げしていた。
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  • 1939, 国枝史郎, 血曼陀羅紙帳武士:
    酔った頬を、夜風に嬲られる快さからか、四人の者は、雨戸の間に、目白のように押し並び、しばらくは雑談に耽ったが、やがて部屋の中へはいった。
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