Japanese citations of 寛大

  • 1888, 福沢諭吉, 日本男子論:
    けだし潔清無垢の極はかえって無量の寛大となり、浮世の百汚穢を容れて妨げなきものならんのみ。
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  • 1898, 徳冨蘆花, 小説 不如帰:
    げにもロンドンの煙にまかれし夫人は、何事によらず洋風を重んじて、家政の整理、子供の教育、皆わが洋のほかにて見もし聞きもせし通りに行わんとあせれど、事おおかたは志と違いて、僕婢は陰にわが世なれぬをあざけり、子供はおのずから寛大なる父にのみなずき、かつ良人の何事も鷹揚に東洋風なるが、まず夫人不平の種子なりけるなり。
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  • 1904, 河口慧海, チベット旅行記:
    けれどその人の心は余程慈悲深い寛大な人で善い方で、財産も余程あるものと見えてヤクなども五、六十|疋飼ってたです。
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  • 1908, 夏目漱石, 文鳥:
    籠はと聞き返すと、籠ですか、籠はその何ですよ、なにどこにかあるでしょう、とまるで雲を攫むような寛大な事を云う。
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  • 1909, 内田魯庵, 二葉亭四迷の一生:
    二葉亭は徳永とは初対面であったが、徳永の人物を臂を把って共に語るに足ると思込み、その報酬は漸く東京の一家を支うに過ぎない位であったが、極めて束縛されない寛大な条件を徳として、予ての素志を貫ぬく足掛りには持って来いであると喜んで快諾した。
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  • 1910, 国枝史郎, レモンの花の咲く丘へ:
    海は寛大だ。
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  • 1911, 森鴎外, :
    寧ろこれまでよりは親切に、寛大に取り扱っている。
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  • 1914, 與謝野寛、與謝野晶子, 巴里より:
    日本政府及ぴ日本の父母は表面保守主義な様ですが、事実に於て世界の思潮を見越す事に鋭敏ですから、時には舵を取る為に馬鹿げた干渉もする様ですが、概して温健な推移ならば寛大に見て居る風がありますので、我我は二三十年|前の日本婦人に比べて雲泥の差と云ふべき思想上の自由を得て居ります。
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  • 1916, 種田山頭火, 赤い壺(三):
    自己を愛するということは自己に侫ねることではない、自己に寛大であることではない。
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  • 1917, 豊島与志雄, 田原氏の犯罪:
    実際、重夫の父田原弘平は凡てに於て観照家でそして余りに寛大であった。
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  • 1918, 有島武郎, 生まれいずる悩み:
    筋肉質な君の顔は、どこからどこまで引き締まっていたが、輪郭の正しい目鼻立ちの隈々には、心の中からわいて出る寛大な微笑の影が、自然に漂っていて、脂肪気のない君の容貌をも暖かく見せていた。
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  • 1920, 三木清, 人生論ノート:
    機嫌がよいこと、丁寧なこと、親切なこと、寛大なこと、等々、幸福はつねに外に現はれる。
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  • 1921, 横光利一, 南北:
    そして今逆に先手を打って、安次を秋三から心良く寛大に引き取ってやったとしたならば、自分の富の権威を一倍敵に感ぜしめもし、彼の背徳を良心に責めしめもする良策になりはしないか、と考えついた時には、早や彼は家に帰って風呂の湯加減をみる為に、一寸手さきを湯の中につけていた。
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  • 1922, 内藤湖南, 日本文化とは何ぞや(其一):
    たゞ然し、近來一般の思想傾向として善いことは、學者の自由討究に對して、以前よりはいくらか寛大になつた點である。
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  • 1923, 松本泰, P丘の殺人事件:
    仰有る通り、少々失礼には違いありませんが、職掌柄でございますので、どうぞ御寛大にお許し下さいまし」と先に立った男がいった。
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  • 1925, 牧野信一, 環魚洞風景:
    「何処かに寛大なお伽噺作家がゐて、僕達二人を、その作中の端役にでも好いから使つて呉れる人はないかね。
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  • 1926, 宮本百合子, 秋の反射:
    彼女がもう二度と来ないということは、村人を寛大な心持にさせた。
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  • 1927, 佐藤紅緑, ああ玉杯に花うけて:
    寛大すぎるとは思ったが朝井先生は校長の美しい心に打たれて反対することができなくなった、人々は沈黙した。
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  • 1928, 喜田貞吉, オシラ神に関する二三の臆説:
    忠勝入国の際検地が案外寛大であったので、農民その徳を頌し、土地を測るに用いた間竿を切って神に祭ったのだというのである。
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  • 1929, 西田幾多郎, 或教授の退職の辞:
    諸君も屍に鞭たないという寛大の心を以て、すべての私の過去を容してもらいたい。
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  • 1930, 矢田津世子, 反逆:
    教父は説話の度にお松を指差してその再生を祝し、神様の救助と寛大に感謝した。
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  • 1932, 佐左木俊郎, :
    伝平は、それほど愚鈍なのではなかったが、馬のためには欺されてやる寛大な善良と狡猾を持っているのだった。
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  • 1933, 戸坂潤, 現代哲学講話:
    だが、吾々が今、哲学を一つのイデオロギーであると主張する時、哲学者達の今のこの結論は、吾々に対して、可なりの寛大を示すものであることを注意しよう。
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  • 1934, 菊池寛, 貞操問答:
    」と、夫人は大いに寛大なところを見せた。
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  • 1936, 神西清, 母たち:
    私は潔癖な少年の常として、他人の悪には非常に寛大だつた。
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  • 1937, 濱田耕作, 異國さかな雜談:
    それで自分の家でも、子供達は却つて今日の飯は固いとか、柔か過ぎるとか小言を言つても、私だけは今日は強い飯の流義の家に逗つた日だ、今日は柔かい飯の好きな家庭の人となつたのだと諦めるのであり、お菜があまくてもからくても、やはり甘口の料理屋へ行つたと思ひ、辛口の料理法に出會はしたのだと思つて我慢をするから、細君や女中に向つては至極寛大に取扱ひ易く出來てゐる積りでゐるが、それでは折角料理に念を入れても一向張合がないと言はれた。
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  • 1938, 倉田百三, 青春の息の痕:
    私はやはり私としては自然な手紙の書き方をすることを寛大に容れて下さることを期待して遠慮せずに心の一仰一揚をそのままたよりさせていただきましょう。
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  • 1940, 幸田露伴, 努力論:
    憂悒の義の「いぶせし」は氣噴狹しの意にして、憂ふる者の氣噴は暢達寛大なる能はざるの實に副うて居る。
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  • 1945, 太宰治, お伽草紙:
    狸は兎にけふはひどく寛大に扱はれるので、ただもうほくほくして、たうとうやつこさんも、おれのさかんな柴刈姿には惚れ直したかな? おれの、この、男らしさには、まゐらぬ女もあるまいて、ああ、食つた、眠くなつた、どれ一眠り、などと全く気をゆるしてわがままいつぱいに振舞ひ、ぐうぐう大鼾を掻いて寝てしまつた。
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  • 1946, 織田作之助, 土曜夫人:
    木崎はもはや、妻の過去に寛大な夫ではなくなり、嫉妬に背を焼かれてデカダンスに陥った。
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  • 1949, 坂口安吾, スポーツ・文学・政治:
    ボクと石川さんとどちらかといえば石川さんに似ている、ボクは偏狭だし、獅子さんは寛大だね。
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  • 1950, 久生十蘭, 無月物語:
    後白河法皇の院政中は、口を拭っておとなしくさえしていれば、なにをしてもゆるされた寛大な時代だったが、泰文の放埒はいささか度をこえているので、法皇も困りきり、都離れのしたところでしばらく潮風に吹かれてくるがよかろうと、泰文を敦賀ノ荘へ流すことにした。
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  • 1953, 片山廣子, 菊池さんのおもひで:
    いま遠い昔のいろいろな事を思ひ出して、あの方の寛大な心に深くお礼をいひたい。
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