Japanese citations of 海底

  • 1891, 今村明恒, 地震の話:
    地球はさういふ性質の薄皮を以て被はれてをり、深海床又は地下深い所は、緩く働く力に對してしぶとく抵抗しないので、地震を起さうといふ力は大陸又は其周圍に於ては次第に蓄積することを許されても、深い海底特に地球の内部に於ては、たとひかような力が働くことがあつても、風に柳の譬の通り、すぐにその力のなすまゝに形を調節して平均が成り立つため、地震力が蓄へられることを許されない。
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  • 1900, 押川春浪, 海島冐險奇譚 海底軍艦:
    けれど今日に於ては、海賊も餘程狡猾になつて、かゝる手段に出づる事は稀で、加ふるに海底潜水器の發明があつて以來、海賊船は多く其發明を應用して、若し漫々たる海洋の上に金銀財寳を滿載せる船を認めた時には、先づ砲又は衝角をもつて一撃の下に其船を撃沈し、後に潜水器を沈めて其財寳を引揚げる相である。
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  • 1907, 寺田寅彦, 話の種:
    次に面白いのは海底で光を放つ烏賊の話である。
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  • 1910, 国枝史郎, レモンの花の咲く丘へ:
    聞け! 小船を漕ぐなる艫の音が、沈み沈んで海底の、人魚の洞へくぐり行く。
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  • 1911, 木下杢太郎, 海郷風物記:
    途端金光は赫灼として海底の金佛から起つた。
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  • 1912, 井上円了, 南半球五万哩:
    まことに絶海の孤島にして、海底電信の要駅なり。
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  • 1916, 森鴎外, 伊沢蘭軒:
    同時に写された書中其|発落を詳にすべきものは、狩谷氏の本が市に鬻がれ、渋江氏の本が海底に沈んだと云ふのみである。
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  • 1918, 有島武郎, 生まれいずる悩み:
    建網に損じの有る無し、網をおろす場所の海底の模様、大釜を据えるべき位置、桟橋の改造、薪炭の買い入れ、米塩の運搬、仲買い人との契約、肥料会社との交渉‥‥そのほか鰊漁の始まる前に漁場の持ち主がしておかなければならない事は有り余るほどあるのだ。
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  • 1919, 津田左右吉, 神代史の研究法:
    人間の浅智から見れば不合理であるが、神は人智を以て測るべからざるもの、神の代は人の代ではないから、天上に世界があっても、海底に宮殿があっても、神が島を生まれても、草や木がものをいっても、それは事実であったというのである。
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  • 1920, 菊池寛, 真珠夫人:
    人間の手の及ばない海底に、自然と造り上げらるゝ、天然真珠の如き輝きを持つてゐた。
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  • 1923, 宮本百合子, ようか月の晩:
    海底の有様は柔かい霧の下に沈み、輝く薔薇色の光線の裡に、葉をそよがせる若い樹が、鮮やかな黒線で現れます。
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  • 1926, 葉山嘉樹, 海に生くる人々:
    深海測定器であるから、おまけに進行中であるから、錘は斜めに流れつつ海底に到達するのである。
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  • 1927, 島崎藤村, 山陰土産:
    それらの海底は、魅せらるることなしに窺ひ見ることの出來ない鮮かな夢の世界か何かのやうである。
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  • 1928, 小林多喜二, 一九二八年三月十五日:
    それが五分經ち――十分經つて行くうちに、初め黄色ツぽい光だつた電燈がへんに薄れて行くやうで――一帶が青白くなり、そしてだん/\に、室の中が深い海底でゞもあるやうな色に變つてゆくのが分つた。
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  • 1929, 折口信夫, 偶人信仰の民俗化並びに伝説化せる道:
    海の精霊を、祭りに参与せしめる為の、お迎へ人形であるから、元来は海底の神が精霊である訣だが、この場合には、お迎へ人形の方が、精霊の位置に変る。
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  • 1930, 牧野信一, 西部劇通信:
    それから、ちよいと此の衣裳に就いての話に移らなければならないのだが、村に来てからは或る止むを得ない都合から僕が一着持つてゐた斯んなアメリカ・インデアンの衣裳をつけて僕はそれを外出着にも、平常着にも、仕事着にもして、稀な具合の好さを感じてゐたが、更に斯うして森林に踏み入るに及んで見ると、僕達にとつてこの服装は海底作業家にとつての潜水服と同様なものになつたのである。
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  • 1932, 服部之総, 黒船前後:
    皮肉な運命にもてあそばれて商船としては見事落第した彼女がいまは工作船として――海底電線の敷設船として、思いもかけぬ能力を発揮しつつあったのである。
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  • 1933, 夢野久作, 怪夢:
    ……とうとう鼻を抓まれても解らない真の闇になると、そのうちに重たい靴底がフンワリと、海底の泥の上に落付いたようである。
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  • 1934, 島木健作, 鰊漁場:
    漁夫たちは覗き目鏡で、海底を覗きこんだ。
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  • 1935, 小栗虫太郎, 紅毛傾城:
    すでに、海底の藻屑と消えたはずの父ステツレルの顔が、つぶれた左眼を暗くくぼませて、寒々とこちらを見返しているのだ。
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  • 1936, 蘭郁二郎, 夢鬼:
    ――それから、どんな惨いことが、この全然人気のない原っぱの中で行われたか……ただ、彼女の真白い足の裏が、靄に溶け込んだ蒼白い月の光りの中に、まるで海底の海盤車のようにいぎたなく突き出されて見え、そこら一面には、着物や肌着などが、暴風雨のあとの花のように飛散し、若い女の血の臭いが、腥く漾っているのだった。
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  • 1937, 中山太郎, 穀神としての牛に関する民俗:
    しかるに先年瀬戸内海の海底から化石した牛骨が現われたとか、尾張熱田の貝塚から一本の馬の歯が出たとかで、牛も馬も太古時代から我国に棲んでいたように云われたものであるが、これは一種の風説であって、牛馬とも古くは我国には居らぬのが事実である。
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  • 1940, 幸田露伴, 努力論:
    蒸氣力トラウル漁獲に力めた結果、歐洲、特に英國に於ては海底魚の乏少を致して、終に該トラウル船を遙に日本などに賣卻するを利益とするに至つたのも、即ち福を竭して不利を招いたのである。
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  • 1945, 太宰治, お伽草紙:
    しかしどうも、あの爪の生えたぶざいくな手で水を掻き、海底深くもぐつて行くのは、不自然のやうに思はれる。
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  • 1947, 西尾正, 墓場:
    僕が三浦半島に興味をもったというのは、その頃例の油壺の海底から、昔の軍船がつかっていたらしい巨錨が、一人の漁夫によって引きあげられたという新聞記事を読んだからであった。
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  • 1948, 海野十三, 三十年後の世界:
    また海底を掘って、その下にある重要資源を掘りだしています。
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  • 1951, 坂口安吾, フシギな女:
    衣服や手足毛髪などのどこかしらに血がついていないか、又は、すでに現場が発見されて大騒ぎになり諸方に手がまわっていないか、それが何より気がかりになる性質のものだが、彼女の神経は海底電線ぐらいの太さがあるなア。
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  • 1952, 三好十郎, 抵抗のよりどころ:
    私は海へ飛びこむときには、海底の岩にぶちあたって、頭を割ることを予想したうえでなければ飛びこめません。
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  • 1953, 佐藤垢石, 縁談:
    鯛が鈎に掛かって、死にもの狂いに海底で糸を引きまわす力の味は忘れられない。
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