Citations:誂える

Japanese citations of 誂える

1904, 河口慧海, チベット旅行記:

その翌二十五日天和堂から出まして、これまで誂えてある書物の取纒めに掛りましたが、せっかく誂えた書物なりかつは得難い書物ですから、金の払ってある分だけは集めようと思いましたので、その夕方大分集まりその翌日も余程集まったです。
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1905, 夏目漱石, 吾輩は猫である:

御誂え通りになっては、ちと困る。
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1911, 森鴎外, 雁:

どこか静かな、小さい一間をと誂えて置いたので、南向の玄関から上がって、真っ直に廊下を少し歩いてから、左へ這入る六畳の間に、末造は案内せられた。
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1921, 泉鏡花, 七宝の柱:

やがて、膳に、その塩焼と、別に誂えた玉子焼、青菜のひたし。
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1921, 豊島与志雄, 白血球:

「その上本物のお化でも出たら、丁度お誂え向だね。
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1923, 豊島与志雄, 悪夢:

お誂えのものがなかなか来なかったんですもの。
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1926, 国枝史郎, 銅銭会事変:

「さあさあどこへなといらっしゃい」長火鉢の前へ片膝を立て、お誂え通りの長煙管、莨を喫かしていた養母のお兼は、黒い歯茎で笑ってみせた。
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1926, 国枝史郎, 銀三十枚:

誂えたはずのない衣裳であった。
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1927, 国枝史郎, 染吉の朱盆:

お誂え通りの辻切仕立、懐中手をして反身になり、人なんかァ殺しゃァしませんよ……といったように悠然と下駄の歯音を、カラーンカラン！　立てて向うへ歩いて行く。
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1929, 渡辺温, 或る母の話:

やっと隅っこの方に、たった一つ空いた卓子を見つけて、リバアのサンドイッチと玉蜀黍のシチュとを誂えた。
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1929, 薄田泣菫, 艸木虫魚:

こん度お誂えになるのは、も少し小ぶりになさいよ。
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1933, 岡本かの子, ドーヴィル物語:

次々に女は勝手な料理を誂えて喰べながら、機嫌の好いままに、小田島に場内の説明をした。
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1936, 矢田津世子, 女心拾遺:

唐沢氏の関心をもつ婦人というのは主に玄人筋で、それも、ひところは柳橋の小若というのへ入れあげて、おさらい時には踊り衣装の一式を自分で見立て、京都へ誂えてやるという執心ぶりだった。
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1943, 正岡容, 随筆　寄席風俗:

誂えて松と梅と万両を壺へ活けさせたのを、そこへ花屋から届けてきた。
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1950, 豊島与志雄, 女心の強ければ:

彼は酒を誂えた。
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1951, 豊島与志雄, 怒りの虫:

「お誂えは……。
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1952, 豊島与志雄, 擬体:

丸田は酒を誂えて、青木にもすすめた。
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