Japanese citations of 維持

  • 1889, 井上円了, 欧米各国 政教日記:
    今、日本国をして永く日本国たらしむるには、その従来日本国たりし精神、思想を維持するを要す。
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  • 1891, 陸羯南, 近時政論考:
    然りといえどもこの論派は帝政論派が当時共和主義なりとまでに難じたるごとくにはあらず、彼自由主義を主張することかくまで広漠なりしも、あえてにわかに君主政を廃して共和政をなすの主義にはあらざりき、むしろその自由主義をもって君主政を維持せんと欲するのみ。
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  • 1892, 北村透谷, 厭世詩家と女性:
    男女相愛して後始めて社界の真相を知る、細小なる昆虫も全く孤立して己が自由に働かず、人間の相集つて社界を為すや相倚托し、相抱擁するによりて、始めて社界なる者を建成し、維持する事を得るの理も、相愛なる第一階を登つて始めて之を知るを得るなれ。
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  • 1899, 福沢諭吉, 新女大学:
    一 婦人の気品を維持することいよ/\大切なりとすれば、敢て他を犯さずして自から自身を重んず可し。
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  • 1902, 正岡子規, 病牀六尺:
    余の考へにては能楽は宮内省の保護を仰ぐかもしくは華族の鞏固なる団体を作つてこれを保護するか、どちらかの道によらなければ今日これを維持して行くのは、非常の困難であらうと思ふ。
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  • 1904, 河口慧海, チベット旅行記:
    新教派が今日まで盛んに維持が出来て旧教派のごとく品格を落さずに居るというのも、つまりこの問答法が基礎となって居る。
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  • 1906, 夏目漱石, 草枕:
    文明は個人に自由を与えて虎のごとく猛からしめたる後、これを檻穽の内に投げ込んで、天下の平和を維持しつつある。
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  • 1907, 寺田寅彦, 話の種:
    この設立に際して農務省は三十万円ほどの費用を支出し、なお年々保護を与えるはず、そしてドイツの製粉組合や製麭組合等の合同で維持して行くとの事である。
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  • 1908, 石川啄木, 菊池君:
    唯八百の読者では、いくら田舎新聞でも維持して行けるものでないのに、不思議な事には、職工の数だつて敢て「日報」より少い事もなく、記者も五人居た所へ、また一人菊池を入れた。
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  • 1909, 森林太郎, 混沌:
    併し今日極力此の極まつた道徳を維持して行かうと思つても、これが巡査の力や何かを借りて取り締つて行けるものでは無い。
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  • 1910, 白鳥庫吉, 倭女王卑彌呼考:
    是に於いて從來緩慢なりし韓族は、はじめて強固なる國家を組織する必要を感ずると同時に、尚ほその中には東方倭國の應援を得て、自國の獨立を維持せんと圖るものありき。
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  • 1911, 森鴎外, :
    しかし末造はこの席で幻のように浮かんだ幸福の影を、無意識に直覚しつつも、なぜ自分の家庭生活にこう云う味が出ないかと反省したり、こう云う余所行の感情を不断に維持するには、どれだけの要約がいるか、その要約が自分や妻に充たされるものか、充たされないものかと商量したりする程の、緻密な思慮は持っていなかった。
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  • 1912, 関寛, 関牧塲創業記事:
    昨三十七年は我家の大厄難たるも、幸にして漸く維持を得たるを以て、尚本年は最も正直と勤倹とを実行し且つ傭人等に成丈便宜を与えん事を怠らず、更に土人及び近傍の農家にも幸福なる順序を得せしめん事に勤め。
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  • 1916, 佐野友三郎, 学校教育における図書館の利用:
    「郡は図書館及び分館の維持費として郡税を課すべしとの条件の下に、郡立図書館建設のために五万ないし十万円を寄附するは中産者のために、自ら不朽の紀念碑を設くる所以となると同時に、少なからざる公益をなすに好機会なりというべし。
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  • 1917, 原勝郎, 東山時代における一縉紳の生活:
    これらの旅人からのコボレや輸入などで京都の町はその繁昌を維持し、殊に三条、四条辺にはかなり大きな店が並んでおったらしい。
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  • 1918, 宮地嘉六, 煤煙の臭ひ:
    昨夜読んだのは第三章だつたが、家へ帰つてからまた手帖へ写したよ、かう見ねえ、労働には他の貨物と同じく自然価格|即ち一家の生活標準を以て労働者及び其の家族を維持するに必要なる価格あり……といふくだりだ。
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  • 1920, 三木清, 人生論ノート:
    しかるに以前の養生論においては、所有されてゐるものとしての健康から出立して、如何にしてこの自然のものを形成しつつ維持するかといふことが問題であつた。
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  • 1921, 与謝野晶子, 「女らしさ」とは何か:
    日本人は早く仏教に由って「無常迅速の世の中」と教えられ、儒教に由って「日に新たにしてまた日に新たなり」ということを学びながら、それを小乗的悲観の意味にばかり解釈して来たために、「万法流転」が人生の「常住の相」であるという大乗的楽観に立つことが出来ず、現代に入って、舶載の学問芸術のお蔭で「流動進化」の思想と触れるに到っても、動もすれば、新しい現代の生活を呪詛して、黴の生えた因習思想を維持しようとする人たちを見受けます。
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  • 1922, 内藤湖南, 日本文化とは何ぞや(其一):
    今日では、其の種類の議論は何人も一種の負け惜しみとして之を採用しないが、しかし、自國文化が基礎になつて、初めから外國文化に對する選擇の識見を具へてゐたと云ふことだけは、なるべく之を維持したいといふ考が中々旺盛である。
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  • 1923, 北一輝, 日本改造法案大綱:
    國民ノ大多數ハ生活ノ不安ニ襲ハレテ一ニ歐洲諸國破壞ノ跡ヲ學バントシ、政權軍權財權ヲ私セル者ハ只龍袖ニ陰レテ惶々其不義ヲ維持セントス。
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  • 1924, 喜田貞吉, 間人考:
    そして一旦定まったその身居は、万事が現状維持を方針とした徳川時代において、容易に変更が許されなかったのはまた実際やむをえなかった。
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  • 1926, 葉山嘉樹, 海に生くる人々:
    そして、これは、ただ労働を一時中止するというだけの簡単な理由からなのだ! そしてこれは、社会の一切の根本は、労働者の労働によって、維持される、ということを語るものだ。
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  • 1927, 桑原隲蔵, 大師の入唐:
    この寺も武宗の時、一旦は廢絶されたが、一年ならずして再興せられ、格別の迫害を受けずに、法運を維持することが出來た。
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  • 1928, 梶井基次郎, 『青空』のことなど:
    その後間もなく私達のなかへは、私達のあと三高で劇研究會を維持してゐた、淀野隆三、淺沼喜實、北神正の三人が、東京へ出て來たので加はり、次いで飯島正や三好達治、北川冬彦の二詩人參加し、三年目にやはり劇研究會からの龍村謙が來、「青空」は年を追つて益々人を殖した。
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  • 1929, 平林初之輔, 昭和四年の文壇の概観:
    彼らの名前に何らかの特権があった時代には、それでも彼らの位置はどうにか維持することができたが、この特権がなくなって、無名の作家とハンディキャップなしの競争をしなければならなくなっては、彼らがその地位を維持することは、ますます困難になる。
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  • 1931, 石川三四郎, 社会的分業論:
    即ち大組織の機械を運転する補助者として使用せられる賃金労働者は、僅かに生命を維持し得るだけの賃金を受けて、一生涯、終日、極めて単純な一労作を反覆連続することを務めとせねばならぬ。
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  • 1932, 服部之総, 黒船前後:
    それでもまだその後十年ほどは、茶は帆船にという偏見が維持されていた――ただしその後十年だけのことである。
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  • 1933, 徳田秋聲, 和解:
    「その当時、その話もあつたんだが、維持が困難だらうといふんで、僕に入れといふんだけれど、何うして先生の書斎なんかにゐられるもんですか恐かなくて……。
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  • 1934, 夢野久作, 梅津只圓翁伝:
    一、銅像一千一百円、玉垣外庭石代九十二円、庭造り四十八円九十銭、維持費積立金一百円、除幕式費用約百五十円、外に印刷費、通信費、及諸雑費でありますが、この工事の始終におきまして、先生御在世中の御素行に鑑み、飲食費等の冗費としては半銭も支出致しておりません事をひそかに喜んでおります。
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  • 1935, 岡本綺堂, 明治劇談 ランプの下にて:
    その余風が江戸から東京へ伝わって、明治の初年までは残っていたので、殆んど“前代未聞の椿事”ともいうべきこの活歴芝居に対して、たといその内心では、何と感じていようとも、表面は比較的冷静の態度を維持していることが出来たのであろうと、わたしは判断している。
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  • 1936, 戸坂潤, 思想と風俗:
    処で云うまでもないことだが、社会に於ける習慣、或いは又習俗は、社会の生産機構に基く処の人間の労働生活の様々な様式関係によって、終局的に決定されているが、二次的にはこの生産関係を云い表わす社会的秩序としての政治・法制が維持発展させる処のものであり、そして三次的には社会意識や道徳律が観念的に保証する処のものだ。
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  • 1937, 西田幾多郎, 善の研究:
    右にいったように意識の根柢に不変の統一力が働いているとすれば、この統一力なる者は如何なる形において存在するか、いかにして自分を維持するかの疑が起るであろう。
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  • 1940, 幸田露伴, 努力論:
    平常状態を維持せんとするも、病を退くるの大道であるが、守れば足らず攻むれば餘有る道理であるから、病むまいとするよりは平常状態以上の健康を得んと力むるも甚だ有效の事である。
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  • 1941, 徳田秋声, 縮図:
    彼女もかつての結婚生活が巧く行かず、のらくらの良人を励まし世帯を維持するために、銀座のカフエへ通ったこともあったが、女給たちの体が自由なだけに生活はびっくりするほど無軌道で、目を掩うようなことが多く、肌が合わなかった。
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  • 1942, 石原莞爾, 最終戦争論・戦争史大観:
    しかるに軍隊の建設維持には莫大な経費を要し、兵は賃金のために軍務に服しているが故に逃亡の恐れ甚だしく、しかも横隊戦術は会戦に依る損害極めて多大であった。
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  • 1943, 波多野精一, 時と永遠:
    すなはち他者に對して自己の存在を維持し更に擴張しようとするのがそれの本質的傾向である。
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  • 1944, 海野十三, 海野十三敗戦日記:
    ◯遠藤長官発表して曰く「戦前の飛行機生産高は月産五百機、昨十九年六月は三千機、本年になって工場疎開や爆撃熾烈の中にも一千台を維持し得たり」と。
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  • 1945, 太宰治, お伽草紙:
    しかし、それもまた乙姫の尊厳を維持するために作られたもので、雨露を防ぐためのものではありません。
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  • 1946, 津田左右吉, 建国の事情と万世一系の思想:
    そうしてこういう権家の勢威は永続せず、次から次へと変っていったが、それは、一つの権家が或る時期になるとその勢威を維持することのできないような失政をしたからであって、いわば国政の責任がおのずからそういう権家に帰したことを、示すものである。
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  • 1947, 風巻景次郎, 中世の文学伝統:
    彼らはひどい野心もなく、自分のつとめを程よく守り、分相応の待遇を世から受ければ十分幸福な人々で、生活的には現状維持派であり、現実生活の礼讃者である場合が多く、現状破壊の行動者でなく、他人を羨み妬む不平組であることは殆どない。
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  • 1948, 永井隆, ロザリオの鎖:
    それまで、長崎市北郊外の浦上付近に、潜伏していたキリシタンは、その天主堂のサンタ・マリアの像の前に自らの信仰を公表し、ここに日本教会は三百年の迫害のあらしの中にあって、巧妙な組織の下に堅固な信仰を維持してきたことを明らかにしたのでした。
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  • 1950, 宮本百合子, 私の信条:
    そして日本では新しく国防保安法が成立し、治安維持法が改正されて死刑法となり、アメリカとの戦争を計画していた東條内閣の下では、文学も軍協力以外には存在を許さない状態になっていたからだった。
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  • 1951, 坂口安吾, わが工夫せるオジヤ:
    長じて酒をのむに及んで、胃弱のせいで、むしろ健康を維持することができたのかも知れない。
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  • 1952, 相馬愛蔵, 私の小売商道:
    自信のあるものを売らなければ店の信用を維持出来ないのだから、自家製品のみを売るのはけだし当を得た策と思っている。
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  • 1955, 小林一三, アーニイ・パイルの前に立ちて:
    長谷川一夫、山田五十鈴のトリオが、如何に地方人を魅了し、優秀なる東宝色彩を維持しうるとしても、現在の映画企画は更に一歩を進めて、その観客層の請求に善処しなければ駄目であることを信じているからである。
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  • 1956, 久生十蘭, 奥の海:
    親王家と五摂家には、御入用調役というものがついていて、体面を維持する程度のことをしてくれるが、大臣家、羽林家と下ると、そういう保証もないので、朝は薄い茶粥に胡麻塩、昼は一汁一菜に盛りっきりの麦飯、あとは翌朝まで、咽喉を通るのは水ばかりという、詰りきった暮しをしているところへ、天保四年の飢饉のたたりで水のような粥にも事欠くようになり、大方は米糠や麦糠を糧にし、対屋の梁を伝う、やまかがしや青大将はご馳走のうちで、荘園の上りを持たぬ官務や神祇官は、蕨根や笹の実を粉にして、枯渇した腹の養いにしているという。
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  • 1960, 原田義人, 解説:
    なるほど地上的な存在としてとどまっていて、言葉の諸要素、物質と精神との諸要素を維持してはいる。
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